AIAI教室AI CLASSROOM

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CHAPTER 02 · PRACTICE

日常・業務で安全にAIを活用する

日常や業務の作業を分解し、情報を分類して、小さく安全にAI活用を試します。

約60分身近な作業から

2章 日常・業務で安全にAIを活用する

AIは、すべての仕事を任せる道具ではありません。作業を整理し、下書きや選択肢を作り、人が判断する時間を増やすための道具です。この章では、日常と業務での安全な使い分けを学びます。

この章の対象者

  • メール、会議、資料、情報整理にAIを役立てたい方
  • 仕事でのAI利用に不安がある方
  • どこまでAIに任せてよいかを整理したい方

この章でできるようになること

  1. 自分の作業を「AIに任せる部分」と「人が担う部分」に分けられる。
  2. メール、要約、アイデア整理、表作成の下書きにAIを使える。
  3. 情報の重要度に応じて、入力してよい内容を判断できる。
  4. AI利用の効果とリスクを小さく試し、見直せる。

2-1. 作業を分解して考える

AI活用は、「AIを使うこと」から始めるのではなく、「どの作業に時間がかかっているか」を見つけることから始めます。

作業の種類AIが支援しやすい部分人が担う部分
メール下書き、要点整理、文体の言い換え宛先、事実、送信判断、関係への配慮
会議議題案、公開可能なメモの要約、タスク候補発言内容の確認、決定、責任者の合意
資料作成構成案、見出し、説明文の下書き数字・根拠の確認、最終デザイン、承認
情報整理分類案、表の項目案、比較軸の提案原資料の正確性、分類基準、利用判断
アイデア出し多様な案、視点、質問リスト目的との適合、採用、実現可能性

AI活用の基本原則

AIは「定型的な下書き・整理・発想」を支援し、人は「事実確認・優先順位・対外的な責任・相手への配慮」を担います。

この分担は、生成AIの出力が誤情報や偏りを含む可能性を前提にしたものです。【E1】


2-2. 日常での活用例

例1:予定を整理する

今週末に行うことを、家のこと・外出・連絡の3つに分類してください。
優先度を「急ぎ」「今週中」「余裕があれば」に分けてください。
個人名や住所は書かず、一般的な項目名にしてください。

例2:文章を読みやすくする

次の文章を、相手を急かさない丁寧な文体に書き換えてください。
事実や日付は変更せず、変更した箇所を最後に示してください。

このように「変えてよいもの」と「変えてはいけないもの」を分けて伝えると、確認しやすくなります。


2-3. 業務で使う前の情報分類

業務では、便利さより先に入力情報を分類します。公開型サービスに個人情報や機密情報を入力する前に、サービスの利用条件と組織のルールを確認する必要があります。【E2】【E3】

情報の区分基本的な扱い
公開済み公開済みの案内、Web掲載文、一般知識利用条件を確認して利用を検討できる
社内利用可承認済みのテンプレート、匿名化済みの例組織のルールに従い利用する
個人情報・機密顧客名、連絡先、成績、未公開企画、認証情報承認された環境以外には入力しない
判断が難しい取引先情報、会議録、画像、ソースコード管理者・担当部署へ確認してから扱う
重要
氏名を消しただけで安全になるとは限りません。日時、所属、事例の組み合わせから個人や組織が推測できる場合があります。

2-4. 小さく試して効果を測る

最初から重要業務をAI化しません。失敗しても影響が小さい作業を一つ選び、利用前後を比較します。

図表案(Mermaid記法)
flowchart LR
  A[小さな作業を選ぶ] --> B[入力情報を確認する]
  B --> C[AIで下書きを作る]
  C --> D[人が確認・修正する]
  D --> E[時間・品質・課題を記録する]
  E --> F{続ける価値があるか}
  F -- はい --> G[利用ルールを決めて広げる]
  F -- いいえ --> H[方法を変える・やめる]

記録する項目

観点
時間下書き作成に何分かかったか
品質修正量、誤り、読みやすさはどうか
安全性入力してよい情報だけを使えたか
再現性別の人・別の日でも同じ流れで使えるか
利用者の負担確認作業が増えすぎていないか

2-5. ミニ演習:会議後の作業を整理する

架空の会議メモを用意し、次の依頼を試します。

以下の架空の会議メモから、決定事項、担当者、期限未定の確認事項を表に整理してください。
事実として書かれていない担当者や期限は作らず、「未定」と記載してください。

振り返り

  • AIが書かれていない決定事項を追加していないか。
  • 担当者・期限を人が確認できる形に整理できたか。
  • 実際の会議録を使う場合、どの承認・匿名化が必要か。

まとめ

  • AIは下書き、整理、比較軸、アイデア出しに向いている。
  • 事実確認、優先順位、対外発信、最終責任は人が担う。
  • 業務では、入力前に情報を公開・社内利用可・個人情報/機密などに分ける。
  • 小さく試し、時間・品質・安全性を記録してから利用範囲を広げる。

次の講座

次は 3章「制作のための生成AI」 で、画像・動画・音声などの制作にAIを使う際の手順と権利・なりすましへの配慮を学びます。

出典・エビデンス

本文の対象根拠資料確認した内容
人の確認を含むリスク管理【E1】生成AIの信頼性・公平性・安全性を運用全体で管理する必要性
業務利用時の利用者の留意【E2】AI利用者がリスクを認識し、適切に利用するための考え方
個人情報を含む入力【E3】生成AIサービス利用時の個人情報保護上の留意
  • 【E1】 NIST, *Artificial Intelligence Risk Management Framework: Generative Artificial Intelligence Profile*(NIST AI 600-1、2024年7月26日)

https://doi.org/10.6028/NIST.AI.600-1

  • 【E2】 経済産業省ほか, *AI事業者ガイドライン(第1.2版)*(2026年3月31日)

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/

  • 【E3】 個人情報保護委員会, *生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について*

https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/

参照日:2026年7月14日。個人情報・機密情報の取扱いは、組織の規程と利用サービスの最新条件を優先してください。

図表案として記載されているMermaid記法は、内容を確認できるコード形式で掲載しています。